いらっしゃいませ m(_ _)m 駄文倉庫です。 こちらでは二次小説を扱うこともありますが、原作者様、関係出版社様とは一切関係がありません。それらをご了承の上、ご覧ください
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肩に掌、つなぐ熱
2013年11月05日 (火) | 編集 |
11月です。

如何お過ごしですか?
ぐったりげっそりした暑さが嘘のように秋が強襲。
着る服がないだろうがっ!と毎年叫んでます
脂肪はたくさん着込んでいるんですけどねぇ…orz

今日は以前書いて、人様に差し上げたものですが、
多分、こちらではあげてないんじゃないかな~と思うので
あげてみます。
良かったら、続きからどうぞ…




いたたまれない、というのはこういうことなのだと実感する。
うれしさはもちろんあったけれど、
華奢で小さな身体にどれだけの負担をかけるのだろうと恐れたのも事実だ。
どんなときでも、どうなろうと一緒にいようと、
一緒にいたいと望み、そう言ったのに
取り乱すところを見られたくないわと、軽く笑われた。
今更そんなことを言うなと、それでもいいからと言おうとしたら
「経験者から言わせてもらうとね、本人の望むことが一番なんだから」
ただの同期なら、そんなたわごと聞かない
だが、こちらが未知のことに対して、すでに経験したものの言うことは無視できなかった。
そばにいるから、ずっといるから呼んでくれ、そう伝えるのが精一杯だった。

わかってる、私が呼ぶのは光だけだから…

時間の感覚がない。
何時間もたったのか、それとも全然進んでいないのか…
扉の向こうで、一人苦しんでいるのではないだろうか
呼べよ、呼んでくれ、俺はここにいる…

ぽん、と肩に手が置かれて顔が跳ね上がる
「…堂上二正…」
横に座られて、自分が座っていることに気がついた。
「こういうとき、男は役にたたんな。待つしかないってしんどいもんだ」
視線は目の前の扉の上、分娩中と点灯しているパネルに注がれている。
「待ってるだけはしんどいが…考えて見れば、男が待たせるほうが圧倒的に多い。
だから、こういうときは待つしかないんだろうな」

黙ったまま、ただ時が過ぎるのを待つ。
待つしかない。

「手塚さん、奥様がよかったら来て欲しいって仰ってますが」
待ちすぎたせいだ、幻聴に違いない。
肩をつかまれた手が熱い。
「なにやってんだ、呼ばれてるんだ、行け」
ぐい、と一度引かれたと思ったら、押し出された。
なにがなんだかわからない頭で振り返ると
常に自分の前を行く人の顔が笑っている
「お前の嫁さんはぎりぎりまで一人でやっちまうからな。
呼ばれたならすぐに行かないと後が怖いぞ」
そうか、呼ばれたのか、呼んでくれたのか…

「お帰り、手塚どうだった?」
「俺もあんなだったのかなと思ったよ。ああいうときの男っていうのは
どうしようもないな」
妻に似たのか、ちょろちょろとやたらと動き回る娘を抱き上げる
「なに?思い出し笑い?」
「いや、あの手塚がな、挨拶もせずに駆け込んでいったのが
妙におかしくてな」
「え?あの手塚が??へ~、取り乱してたんだねぇ。
あとから気がついて、真っ青になりそ」

ポケットの中の携帯が着信を知らせている。
<先ほどは失礼しました。 男の子です>
「あ、こっちもきたきた。男の子かぁ」

ふと手を見る。
「そういえば、あまりしたことがなかったな」
同じ部下でも欠点のほとんどない手塚
手がかからない分、目立たないが
つかんだ肩はたのもしかった。
「しっかり家族を守っていけよ」
メールの返信はそれだけでいい気がした。
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